私はフィリピンに来るまではぜんぜん英語を勉強したことがなくて、スピーキングどころかリーディングもグラマーもボキャブラリーも、全てがダメダメでした。そんな私が英語の勉強を初めようと思ったのは、とにかくそれが必要なことだと思ったからです。それまでお世話になっていた仕事をやめてから、次にどんなことがしたいか、どんなことができるのか、はっきりしたことは決まっていませんでした。それでも漠然と英語の必要性は感じていましたので、フィリピンにいって一生懸命勉強をして、とにかく何らかの成果を残そうと思いました。そしてフィリピンで培った英語力を活かして、自分の今後を考えていくべきなんじゃないかと、そういう風に捉えていました。
私はひたすら勉強に打ち込みたいと思っていたので、20週間のコースで申し込むことに決めました。周りの人たちを見ても、20週間も滞在する人なんてほとんど見ません。私が学校を去る頃には、マネージャーやスタッフを除いて、私が最古参になっていたことには驚きました。
それだけ長くの時間を過ごすことになる学校ですから、どこを選ぶべきか、かなり迷いました。とはいっても、自分で考えるにも限度があります。他の多くの人たちと同じように、エージェントに相談をして、どの学校が自分にとって最も良いかを考えることになりました。そして、エージェントに相談をしたことは正解だったと思います。学校の数は数え切れないくらいあるものの、自分にとって大事な条件を出していけばいくつかに絞り込むことが出来ますし、私はそれでE&Gに辿りつくことができましたから。
まず、私の出した条件はお金でした。働いている間に貯めたお金があるとはいえ、そう大した額ではありません。それを最初に意識していたので、そもそも行き先がフィリピンになることは必然でした。フィリピンは他の国の留学に比べて格安で、しかもマンツーマンのクラスを用意してくれていますので。でも問題は、そのフィリピンの中でどの学校を選ぶかです。それに、フィリピンで勉強をした後は、学んだばかりの英語を使ってアジアの国をいくつか旅行してみようと思っていましたし、日本に帰った後もすぐに仕事が見つかるとは限りません。そういった状況を考えて、予算内に収まる学校に限定することは私にとって最も大切なことでした。
もう一つ出した条件は勉強についてです。仕事をやめて貴重な時間とお金をかけて留学をするのですから、それに見合った成果がなければなりません。私は上でも述べたように、日本の中ですら英語が得意とは言えない程度の人間でしたから、かなりの不安を感じていましたが、それでもできるだけ厳しいところにチャレンジしようと思っていました。
そういったことを相談した末に、私はE&Gに決めました。授業についてはまた後でも述べますが、私はE&Gを選んで本当に良かったと思います。ここに来てやりたいことはやりつくしました。もう思い残すことはない、ていうくらいです。
私はE&Gに来て満足していますが、それは事前によくリサーチをして考えていたからだと思います。もちろん来てみなければ分からないことはたくさんありますが、日本にいる頃からも学校のホームページやブログ、経験者のブログを見つけることができます。そして実際に学校のマネージャーやスタッフとやり取りをしているエージェントの話を聞くことはとてもためになります。自分のこれからに関わることだったので、慎重に考えた結果、自分に合った学校と出会えて本当に良かったです。
ダバオの地に降り立ってE&Gにやってきて、私はまず学校の立地が気に入りました。ダバオはとてもいい街です。日本人でダバオといわれてピンと来る人はほとんどいないと思いますが、実はフィリピンではマニラ、セブに次ぐ第3位の都市です。バナナやマグロを日本に向けて大量に輸出したりなんかもしています。戦前では、ダバオは「リトルトーキョー」とも呼ばれていたそうです。その影響からか、日本人が好きな人が多くて、ちょっと街中でそこら辺の人と話をしてみると、「Are you Japanese?」と聞かれます。そうですよと答えると、「コンニチハ」とか「アリガトウゴザイマス」とか、片言の日本語をいっぱい聞かせてくれます。意外といろんな人が中途半端ながらも日本語を話すことが出来るんです。話を聞いてみると、彼ら彼女らは日本のことが大好きで、日本人の知り合いができるととても喜ぶし、いつか日本に行ってみたいとも言ってくれました。もしかしたら外国人のためのリップサービスかもしれませんが、そういうことを話しながら笑いかけてくれる人たちを見ると、この国にきて良かったな、なんて思います。
それに、そもそもダバオはマニラやセブとはかなり雰囲気が違うとも聞きます。マニラやセブは発展途上国であるフィリピンにおいて急激に発達している都市ですので、その分だけ犯罪の温床となりやすい環境が整っています。タクシーに乗ったらぼったくられたとか、荷物をひったくられたとか、空港でチップをしつこくせがまれたとか、そんな悪い話もあるようです。でもダバオでは一度もタクシーで料金をごまかされたことはありませんし、むしろチップのつもりで多めに渡したらピッタリお釣りを返してくれちゃったり、なんてこともありました。もちろん犯罪が全くないわけではありませんが、財布や携帯電話をそこら辺に置いていったら誰かに奪われる、なんてこともほとんどありません。私は女ですのでフィリピンの街を出歩くことに対して不安を抱く時期もありましたが、ダバオでは日本にいるのと同じような気分でいられました。気安く外出できるというのはとても大きなことだと思います。
現地で友達もできました。ダバオのとある大学に通う女の子で、英語を通してコミュニケーションをとりました。その子の大学で文化交流のイベントがあった時には、私も参加させてもらえました。E&Gの生徒達にも声をかけて15人くらいを集めて、みんなで一緒に大学に行ったことをよく覚えています。その頃、私はまだ英語が堪能とは言えない状態だったので、司会の人が言っていることも結構分かりませんでしたが、フィリピンの文化をはじめ、日本や中国や韓国の文化を模した出し物はとても面白かったです。有名人ではありませんでしたがアメリカ人のアーティストも来ていて、私達にCDを配ってくれました。その友達とはそれからも一緒にカラオケに行ったりして、たまに会って遊ぶ仲です。
さて、そうしてダバオに非常にいいイメージを持つことが出来たわけですが、大切なのは勉強です。どういう感じになるんだろうかとドキドキしながら授業に臨みましたが、そんな不安を和らげてくれるような、優しくて能力の高い先生達がたくさんいました。私はこれだけ長くいるのですから、授業も先生もいろいろと変わりましたが、そのいくつかを紹介したいと思います。
まず、私がとても面白く感じられたのはEVA先生のTOPICという授業です。この授業は名前の通り、毎回様々なテーマを先生が用意して、それについて生徒同士で意見を表現し合うというものです。テーマに選ばれるのは、「理想の異性」とか「結婚の年齢について」とか「ワークライフバランスについて」とか「旅について」とか、毛色の違うものが混ざってたりします。それぞれのテーマについて5つくらい質問の項目があって、一つ一つ考えを伝えていきます。この授業では教師は司会者として機能することになるのですが、EVA先生はその能力に秀でていました。クラス全体を常に把握していて、個人個人の意見を引き出しながら時間とバランスを管理するのが上手な先生なんです。とても楽しくてためになる授業でした。
そしてもう一つ、満足度が高かったのはSHANE先生のTOEICリスニングの授業でした。SHANE先生は自分で問題が解けるというだけではなくて、「どういうことを教えたら生徒の点数が上がるか」ということを常に考えてくれている人です。授業の中ではどうやって問題に取り組めばいいか、ということを細かく教えてくれますし、流された音声の要点を的確にまとめて伝えてくれます。私はこの授業のおかげでリスニングの能力がかなり上がりました。前までは空港などでアナウンスが流れていても右から左に聞き流すだけでしたが、今ではちゃんと何を言っているのか理解できます。TOEICのリスニングで使われるシチュエーションは限定的ですが、ここで学んだことは試験以外の場所でも活かせるはずです。
その他にも色んな先生に教えてもらいました。JOANNE先生にはREADINGを楽しく分かりやすく教えてもらったし、GENNY先生には覚えるべきボキャブラリーを毎日与えられました。リスニングを教えてくれたGUEL先生はやわらかい性格をしていたので質問がしやすかったし、いつでも丁寧に答えてくれました。その全てのことが、私の英語能力の向上に貢献してくれたと思います。全ての授業の予習と復習を完璧にこなしていこうと思うと尋常じゃないくらいに負担がかかりますが、それをやるだけの価値はあります。
このように非常に質の高い講師陣を揃えているE&Gですが、もちろん不満が何もないわけではありません。やはり先生にも得手不得手というものがあり、感動するほど分かりやすい授業があるのに対して、あまり実りがないなと感じた授業もありました。例えば、ZENDRO先生は発音がアメリカンネイティブに非常に近いといわれていて、頭も切れるすばらしい先生でしたが、私は彼とのスピーキングの授業はそれほど効果的だとは思えませんでした。たぶん毎日難しい本を読んで勉強しているからだと思いますが、もってくるトピックが専門的過ぎて理解できないこともしばしばあります。でもスピーキング授業の代わりにライティング授業を教えてもらえることになると、イメージは一変して、とても面白く感じられるようになりました。同じ先生でも教える科目によってかなり印象が変わります。それはZANDRO先生だけではなくて、他の先生にも同じことが言えるでしょう。
そういう環境で私が納得して満足しながら勉強が出来たのは、マネージャーの存在が大きかったと思います。E&Gでは現在マネージャーをしているアシュリーさんが時間割を全て組んでくれています。私は自分がE&Gでどういう風にやっていきたいか、彼女と何度も話し合いました。私はこの留学で無駄な時間は過ごしたくなかったので、授業であまり良くない印象を持ったときには正直に話しました。アシュリーさんはそれを聞いて、フレキシブルに対応してくれます。他の学校の事はあまり知りませんが、これだけいろんな意見を反映させてもらえることはなかなかないんじゃないか、と思いながら我侭を言っていました。
アシュリーさんは韓国人の方ですが、日本語がぺらぺらで、やはり英語も話せます。外国語のエキスパートと言えるでしょう。彼女は自分が勉強をしてきた経験を活かしてアドバイスを与えてくれ、私はそれを信じて実行していきました。私の意見が正しいときには尊重してすぐに動いてくれるし、そうでない時には根気強く説得をしてくれました。上記のZENDRO先生も、最初は先生を代えてもらいたいと思っていましたが、「彼の発音を聞くことはそれだけで勉強になる」と言われ、先生はそのままにして、授業をスピーキングからライティングに変えてみました。その効果も、既に書いた通りです。私はこういうことがある度に、「やはり信頼してよかった」と思います。
ちなみに、私が一番難しいと思ったのは、ANDREW先生が教えてくれていたTOEICのパート5と6です。TOEICを受けたことのある人は既に知っていることだと思いますが、パート5は短いセンテンスの穴埋めで、パート6は短いメールや広告などの穴埋めの問題です。高得点を目指すのであればここでのミスの数を限りなくゼロへと近づけていかなくてはなりませんが、求められるボキャブラリーの数が尋常ではありません。まずは文法知識を完璧なものにして、その上で数多くのボキャブラリーを頭に叩き込まなければ、いつまで経っても点数は上がらないんです。ANDREW先生はエネルギッシュでスマートで、授業はまるで先生と戦っているような気分になりました。毎日、授業で解説を受けるために問題を解いて、授業でANDREW先生と戦って、夜には間違えたところの復習と知らなかった単語の暗記を行って、さらに問題を解いて……。この勉強はかなり大変でしたが、私はこの授業が一番大好きでした。成長しているということが実感できる授業だったので。
成長したといえば、もちろんTOEIC対策のパート5やリスニングだけではなく、英語の能力全般について伸びたと思います。特にほとんど知識のなかったボキャブラリーの伸びと、日本ではなかなか鍛えることのできないスピーキングの伸びは、かなりのものじゃないかなと。自画自賛になってしまいますが、E&Gに勉強に来る前とは全くの別人になれたと思います。もちろんそれは私だけの力ではなくて、それを支えてくれたマネージャーや先生方や一緒に勉強をした生徒達の存在があってのことです。
ここに来て感じたのは、とにかくやる気があれば伸びるということです。私だけじゃなくて、一生懸命に勉強を頑張っている人たちはそれぞれに納得できるだけの成果を手に入れて学校を離れていきます。私としては、土日ある休みのうちの1日は勉強をしたほうがいいんじゃないかと思います。せっかくダバオに来たんですから遊びたくなるのも分かりますが、2日も勉強をしていないと月曜日にギャップを感じてしまうと思いますので。
とは言いつつ、私も毎日勉強だけをしてきたわけではありません。5ヶ月もいましたから、ダバオの色んな文化に触れることが出来ました。上でも書いたように現地での友達も出来ましたし、学校の友達とは、ビーチに何度も行きました。私のお気に入りのビーチはパラダイスです。学校から近いので気軽に行けますし、食べ物を買っていけば、一日中遊んでも500ペソに収めることができます。日本円だと1000円ちょっとくらいですね。パラダイスビーチは落ち着いた場所なので、そこに勉強道具を持っていって、海の音をBGMに勉強をしていたこともありました。でもある日、ちょうど遊びに来ていた先生に見つかって、「勉強しすぎると頭がおかしくなるから休日は遊ぶように」と言いつけられてしまったこともありましたが。
他にも、学校からタクシーで5~10分、歩いて30分ほどのところに、SMモールという大型のショッピングセンターがあります。ここでは買い物もできるし、ご飯も食べられるし、ちょっと店に入って勉強をする事だって出来ます。私が休日に勉強をするときには、このSMモールへ行ってドリアンを食べ、それから空いている店に入って課題をこなしていました。
海外旅行というと、食べ物も重大な関心ごとになります。ダバオに来て美味しいのは、鳥と豚の肉と、マグロを使った料理と、その他フルーツ類です。特にフルーツは日本では高値で取引されるマンゴーやドリアンが簡単に手に入るのでお勧めです。体にもとてもいい影響を及ぼします。ドリアンは強烈な匂いと味のせいで最初はなかなか好きになれませんが、慣れると「これほど美味しいものもない」と感じられます。日本で言う納豆みたいな感じでしょうか? 方向性は大分異なっていますけど。私は違和感なく食べられるようになるまで3回チャレンジする必要がありました。一緒に食べられる人があまり多くないのが残念ですが、ドリアン好きは団結して一つのグループを作ることが出来ます。本当は学校の中に持ってきてみんなにシェアしたいんですけど、匂いがあまりに強烈過ぎるせいで持ち込みが禁止されているんですよね。学校に改善してもらいたい点を挙げるなら、ドリアンの持ち込みを主張したいと思います。
ダバオでは本当にいろんなことがありました。他にもマッサージに行って背中を痛めた話とか、先生達と生徒が一緒にビーチに行ったときの話とか、語りだしたら止まらないようなことがたくさんあります。その全てをここで伝えることはできませんが、私の気持ちが少しでも伝わってくれたら嬉しいです。たくさんの素晴らしい人たちに出会えて本当に幸せです。一生の宝物になりました。私は日本に帰る前にアジアの国を少し回ってきますが、きっと他のどの都市よりもダバオが一番良かったと思えると確信しています。
フィリピンに語学留学に来る人たちは、目的もレベルも様々です。過去分詞なんていわれてもさっぱり理解できない人もいれば、TOEICで800点や900点を超えている人もいます。期間もまちまちで、私みたいに5ヶ月いる人もいれば、1週間で帰ってしまう人もいます。大分県から来た人もいるし北海道から来た人もいるし沖縄から来た人もいるし。
ここでは、普通に過ごしていれば決して交わることのないような、異なった経歴の人たちが集まる文化の坩堝です。いまやグローバル人材の定義は「いかに英語ができるか」ではなく「異なる文化を受け入れて対応することができるか」であるといわれています。英語を使うことはあくまでコミュニケーションのツールでしかありません。その意味は、特別な訓練をつまなくても、このE&Gに来ることで理解ができると思います。フィリピン人や韓国人とも話さないといけないのに、そもそも日本人同士だって同じような人がいないところですから。
ここに来るまでは様々な迷いがありましたが、全てが終わった今なら、私の選択は正解だったとはっきり言えます。お世話になった皆様、本当にありがとうございました。
アンケートにご協力いただいてありがとうございます。
CARRIEはいつでもひたむきに勉強をしていて、でも休み時間になると日本人にも韓国人にも積極に話しかけに行くような、活動的な生活を送っていましたね。物静かな性格でしたが、行動はいつもアグレッシブでした。私を含めて、CARRIEのすることをみてやる気を出したり、励まされたりしていた人は少なくないと思います。
長い間、本当にありがとうございました。これからの活躍をダバオの地から祈っています。
ダバオE&Gの学校詳細は以下のページをご参照ください。
http://philippines-ryugaku.com/davao-eng/